エアコンを選ぶ際、畳数表示を参考にしている方は多いでしょう。
しかし、世の中には「エアコンには買ってはいけない畳数がある」という噂もあるため、一体何畳用が適切なのか迷うこともありますよね。
そこで今回は、エアコンの買ってはいけない畳数の噂に迫るため、畳数表示の裏に隠された真実を解き明かします。
▼この記事に書いていること
エアコン6畳用で本当に十分なのか、20畳の部屋に14畳用ではダメなのかという疑問についても解説します。
この記事を参考に、適切な選び方を知り、無駄な出費を抑えて快適な空間を手に入れましょう。
エアコンで買ってはいけない畳数があるのは本当?
エアコンで買ってはいけない畳数があるというのは、一部本当です。
販売されているエアコンの畳数は、1964年に制定されたJIS規格に基づいています。
そのため、「〇畳用」という表示を鵜呑みにしてしまうとエアコンの効果を十分に得られない場合があります。
家の断熱性や気密性、部屋の向き、窓の大きさなど、様々な要素がエアコンの効きに影響を与えます。
そのため、畳数だけで判断してしまうと、性能を持て余したり、逆に能力不足になったりする可能性があるのです。
8畳・12畳は買ってはいけない?
8畳・12畳用のエアコンを買ってはいけないということはありません。
「8畳・12畳用のエアコンを買ってはいけない」という考えは、暖房能力とコストパフォーマンスを重視した考え方から来ています。
一部のエアコンでは、最大暖房能力が同じ畳数帯が存在し、その中で最も安価なモデルを選ぶのがお得だという考えです。
しかし、これはあくまで暖房能力に焦点を当てた場合の話なので、冷房能力や部屋の環境を考慮すると、8畳用や12畳用が必要になるケースも十分に考えられます。
エアコンは6畳用で十分!何畳までカバーできる?
「エアコンは6畳用で十分」という意見もありますが、すべての家や部屋に当てはまるという訳ではありません。
6畳用のエアコンで十分と言われるのは、隙間が少なく外気の影響を受けにくい高気密・高断熱の住宅の場合のようです。
実際に、18畳や20畳の部屋で6畳用エアコンを使用しているという方もいました。
ぶっちゃけエアコンはダイキン、パナ、三菱のいっちゃん安いやつで性能は必要十分なんだよな 最近の高断熱高気密住宅なら6畳用でも20畳あっても楽に空調できるしな… 引用元:X‐@mjiira
断熱性や気密性の高い部屋の場合は、20畳の部屋であってもカバーすることができるようです。
しかし、部屋の断熱性・気密性や日当たりの良さによっては、6畳用では能力不足になることもあります。
例えば、南向きで日当たりの良い部屋や、断熱性の低い部屋では、6畳用エアコンでは十分に冷暖房できない可能性があります。
6畳と8畳用は変わらない?
建築技術の向上により、高断熱・高気密な住宅が増えてきているため、住宅の性能によってはエアコンの6畳用も8畳用も変わらないと感じる場合があります。
しかし、エアコンの性能だけを見れば6畳用と8畳用では、風量やカバーできる範囲など8畳用の方が高性能と言えます。
▼6畳用と8畳用エアコンのスペック比較
6畳用 | 8畳用 | ||
---|---|---|---|
畳数のめやす (カバーできる範囲) |
暖房 | 5~6畳 | 6~8畳 |
冷房 | 6~9畳 | 7~10畳 | |
能力 (パワー) |
暖房 | 2.2kW | 2.8kW |
冷房 | 2.2kW | 2.5kW |
(参考2)ダイキン工業株式会社‐Eシリーズ 仕様(スペック)
中には、6畳用と8畳用のエアコンのカタログなどを見比べると、定格能力は異なるものの最大暖房能力は変わらない場合があります。
これは、製造コストを抑えるために、一部の機種で暖房能力が共通化されているためです。
しかし、冷房能力は異なる場合が多く、部屋の環境によっては8畳用を選ぶメリットもあります。
例えば、8畳の部屋に6畳用のエアコンを検討する場合、パワー不足を感じるかもしれません。
また、部屋の広さだけでなく、人の出入りが多い部屋や、熱を発する機器が多い部屋では、8畳用を選ぶ方が快適に過ごせるでしょう。
12畳の部屋で6畳用のエアコンは小さい?
12畳の部屋に6畳用のエアコンを設置するのは、一般的には能力不足と言えます。
しかし、部屋の断熱性が非常に高く、日当たりも悪いなど、条件によっては6畳用でも十分に冷暖房できる可能性もゼロではありません。
12畳の部屋に10畳用は?
12畳の部屋に10畳用のエアコンを設置するのは、必ずしも間違いではありません。
エアコンの効きの良さはエアコンの性能だけでなく、部屋の断熱性や日当たりなどを考慮して、総合的に判断する必要があります。
もし、部屋の断熱性が高く、日当たりも悪ければ、10畳用でも十分に快適な空間を作れる可能性があります。
実際に、12畳の部屋に10畳用のエアコンを設置しているという方もいました。
あさからエアコン工事 新しいの買った 12畳に10畳用つけたけど‥ めちゃ効く 寒い 引用元:X‐@noricorori7
しかし、日当たりが良い・入居人数が多いなど、少しでも不安がある場合は、12畳用を選ぶのが無難でしょう。
20畳に14畳用のエアコンでも大丈夫?
20畳の部屋に14畳用のエアコンを設置するのは、一般的にはパワー不足で冷暖房の効き目が悪い可能性があります。
しかし、これも部屋の断熱性や、日当たりなどの条件によって変わってきます。
高断熱・高気密住宅であれば、14畳用でも十分に冷暖房できる可能性はありますが、そうでない場合は、20畳用のエアコンを選ぶのがおすすめです。
エアコンは14畳と18畳はどっちがいい?
エアコンの14畳用と18畳用で、どちらを買うかまよっている方は、部屋の広さだけでなく、断熱性や日当たり、使用頻度など、様々な要素を考慮して判断する必要があります。
しかし、大きすぎると電気代がかかるというデメリットもあります。
ここでは、それぞれの畳数のメリット・デメリットを比較検討し、最適な選択肢を見つけましょう。
エアコンは14畳で十分?
高断熱・高気密住宅で日当たりも悪いなどの条件下では、14畳用でも18畳や20畳の部屋を十分に冷暖房できる可能性があります。
実際に14畳用のエアコンを使用している方からは、エアコンの進化に驚きの声を上げていました。
新しいエアコン、パワーがマジで段違いなんですけど。18畳用買おうかと思ったけども同じ14畳スペックで十分過ぎる。10年でここまで進化してるのか 引用元:X-@PeDaLu
しかし、断熱性が低かったり日当たりが良すぎたりする場合は、能力不足になる可能性が高いです。
2階建て2階 南向きリビングに14畳用なんかつけたら全く冷えませんよ。引用元:yahoo知恵袋‐12年前の建売で、18畳くらいの部屋に14畳用のエアコンを…
14畳用を選ぶ場合は、部屋の環境をしっかりと把握し、慎重に判断する必要があります。
14畳の部屋に10畳のエアコンは?
14畳の部屋に10畳のエアコンは、断熱性や日当たりなど部屋の条件によっては十分に冷暖房できる可能性があります。
14畳の部屋に10畳のエアコンを設置することに関して、Yahoo知恵袋では販売施工関連のお仕事の方から以下のような返答がありました。
販売施工しております、まず部屋の断熱性はどうですかね 低いのか 高断熱か 低い場合で 部屋の向きが南、南西、西向きで有れば18畳クラス無いと効かないです 14畳でもフル回転になるので その場合で10畳つければおそらく2年か3年で故障する例が多いです …高断熱の家で断熱サッシと言うことであれば 10畳用エアコンでも効きます 引用元:yahoo知恵袋‐14畳のリビングに10畳のエアコンを取り付ける…
断熱性が高く、日があまり当たらないなどの条件が揃わない場合は、快適性を考えると14畳用を選ぶのが無難でしょう。
エアコンの買ってはいけないサイズや畳数
エアコンを選ぶ際、買ってはいけないサイズや畳数というものは、一概には言えません。
なぜなら、部屋の環境や、個人のニーズによって、最適なエアコンは異なるからです。
目安の畳数と合っていない場合でも、快適に過ごせているという口コミもありました。
畳数より大きめを買うと電気代がかかる?
畳数よりも大きめのエアコンを買うと、初期費用が高くなるだけでなく、電気代も高くなる可能性があります。
なぜなら、オーバースペックのエアコンは、設定温度に達するまでの時間が短いため、頻繁に運転を停止したり、再開したりするからです。
この運転停止・再開時に、多くの電力を消費するため、電気代が高くなるのです。
畳数が足りないのは大丈夫?
畳数が足りないエアコンを無理に使うと、エアコンに大きな負荷がかかり、故障の原因になります。
▼畳数が足りないエアコンを使うとどうなるか
- エアコンに負荷がかかり、故障の原因になる
- 設定温度になるまで時間がかかる
- 電気代が高くなる傾向がある
- 冷暖房が均一になりにくい など
特に賃貸物件にお住まいで、エアコンの畳数が合っていないと感じる場合は、管理会社に相談することも検討しましょう。
マンションなど集合住宅では、一戸建てに比べて断熱性が高い場合が多く、必ずしも畳数通りの能力が必要とは限りません。
エアコンの畳数が合ってない?タイプは2種類
エアコンには、100Vタイプと200Vタイプの2種類があります。
「V」とは電圧の大きさのことで、100Vよりも200Vの方が電圧が高く、より大きな電力を供給できるため、ハイパワーなエアコンになります。
100Vと200Vでは、どのような違いがあるのかをまとめてみました。
100V | 200V | |
---|---|---|
適した 畳数・環境 |
・12畳以下の狭い部屋 ・断熱性が高い、日当たり が悪いなど冷暖房が効きや すい環境 |
・14畳以上の広い部屋 ・断熱性が低いなど冷暖 房が効きにくい環境 |
設置条件 | ・通常のコンセントで対応 可能 |
・200Vに適用したコン セントが必要(ない場合 は工事が必要になる) |
エアコンが部屋の畳数に合っていないと感じる場合は、100Vや200Vなどの電圧の特徴も踏まて検討しましょう。
広い部屋や、冷暖房能力を重視する場合は、200Vを選ぶのがおすすめです。
14畳用は100V・200Vで違いが大きい
14畳用のエアコンの100Vと200Vの違いは、モデル数です。
14畳用と広めの部屋に対応しているため、100Vモデルよりも200Vモデルの方が数が多い傾向にあります。
また、14畳用の200Vモデルの方が効率が良いという意見もありました。
…14帖用の100Vと200Vを比べると200Vのほうが効率が良いです。 機械のパワーが異なりますので、同じ容積を冷暖房かけるにしても200Vのほうが効率は良いです。 自動車で考えると、100Vは120km/hで航続運転して200Vは60km/hで航続運転している感じです。60km/hの航続運転のほうが燃費が良いですよね。引用元:yahoo知恵袋‐家庭用エアコンは100Vの18畳以上タイプより200Vの14畳…
200Vモデルは100Vモデルに比べて、よりパワフルで広い部屋でも効率よく冷暖房できます。
そのため、14畳の部屋でも広めのリビングや、日当たりの良い部屋では200Vモデルを選ぶのがおすすめです。
エアコンの畳数は関係ない?表示だけで選ぶのは危険
「エアコンで買ってはいけない畳数があるのは本当?」でもお伝えしたように、エアコンの畳数表示はあくまで目安であり、それだけでエアコンを選ぶのは危険です。
近年では、高断熱高気密な一軒家やマンションが増えてきているため、畳数表示はあまり意味がないとも言われています。
畳数表示に従ってエアコンを購入してしまうと、折角のエアコンの性能を持て余してしまう可能性があります。
そこで、エアコンを選ぶ際は、畳数だけでなく以下のポイントも考慮することをおすすめします。
▼エアコンを選ぶ際に考慮する部屋環境ポイント
- 断熱性
- 気密性
- 日当たり(部屋の向き)
- 窓の数・大きさ など
また、エアコンの性能や機能も、重要な判断材料となります。
省エネ性能や、空気清浄機能、除湿機能など、自分のニーズに合ったエアコンを選びましょう。
エアコンの畳数とkwの関係は?
エアコンの畳数とkW(キロワット)は、エアコンの冷暖房能力を表す単位で、数値が大きいほど、より広い部屋を冷暖房できます。
一般的に、畳数が大きいほど、kW数も大きくなります。
▼エアコンの畳数とkwの関係
畳数 | 能力(kW) |
---|---|
6畳程度 | 2.2 |
8畳程度 | 2.5 |
10畳程度 | 2.8 |
12畳程度 | 3.6 |
14畳程度 | 4.0 |
18畳程度 | 5.6 |
20畳程度 | 6.3 |
23畳程度 | 7.1 |
(参考3)ダイキン工業株式会社‐Rシリーズ 仕様(スペック)
同じ畳数でも、メーカーや機種によってkW数が異なる場合があるため、製品のカタログや表示をしっかりとご確認ください。
この違いは、エアコンの性能や、省エネ性能によるものです。
エアコンの畳数の選び方|適正サイズ計算方法
エアコンの畳数の選び方や適正サイズを計算する方法をいくつかご紹介します。
一つは、部屋の面積から必要な能力(kW)を計算する方法です。
しかし、これはあくまで目安であり、部屋の断熱性や、日当たりなどを考慮して、調整する必要があります。
部屋の畳数がわからない場合は、以下の計算方法で畳数を把握してください。
▼部屋の畳数の計算方法
- 部屋の縦×横で面積(㎡)を算出
(例:縦3.0m×横4.2m=12.6㎡) - 算出した面積を1.62で割って畳数を計算
(例:12.6÷1.62=7.78畳)
この他にも、エアコンの畳数の選び方には以下のような方法があります。
お部屋に合ったエアコンを選ぶために、ぜひ参考にしてください。
エアコンの畳数の見方&調べ方
エアコンの畳数は、カタログや製品本体に記載されています。
畳数表示は、〇畳~〇畳というように、幅を持たせて表示されているのが一般的です。
これは、部屋の構造や断熱性などによって、必要な能力に違いがあるためです。
畳数表示だけでなく、冷暖房能力(kW)も確認し、自分の部屋に合ったエアコンを選びましょう。
マンションやアパートで違う?購入する畳数目安
マンションやアパートは、一戸建てよりも小さい畳数のエアコンで十分に冷暖房できる場合があります。
同じ広さの部屋でも、マンションやアパートは一戸建てに比べて断熱性が高い傾向にあるためです。
特に、鉄筋コンクリート造のマンションは、断熱性が高いため、畳数表示よりも小さめのエアコンを選ぶのがおすすめです。
軽量鉄骨や木造でエアコン畳数を選ぶ
軽量鉄骨造や木造の住宅は、鉄筋コンクリート造に比べて断熱性が低い傾向があるため、エアコンの畳数表示通りか大きい畳数のエアコンを選ぶ必要があります。
軽量鉄骨造や木造は、熱を外に逃がしやすくなっているため、エアコンの効きが悪いという特徴があります。
特に、築年数が古い住宅や、断熱材が入っていない住宅では、注意が必要です。
まとめ
エアコンの買ってはいけない畳数があるというのは、畳数表示が1964年に制定された規格であり、現代の住宅事情に合っていない可能性があるためです。
エアコンを選ぶ際、畳数表示はあくまで目安として考え、以下のポイントを意識して選ぶと良いでしょう。
▼エアコンの選び方のポイント
- 部屋の断熱性、日当たり、窓の大きさなどを考慮する
- 家族構成や使用頻度で考える
- 省エネ性能や空気清浄機能、除湿機能など、自分のニーズに合った機能を選ぶ
- 信頼できるメーカーを選び、長期的な視点で考える
この記事が、あなたのエアコン選びの参考になれば幸いです。
快適なエアコンを選んで、一年中快適な空間で過ごしましょう。
▼参考にしたページ一覧
(参考1):経済産業省‐(参考)2ー10.建築物外皮性能と空調負荷想定①
(参考2)ダイキン工業株式会社‐Eシリーズ 仕様(スペック)
(参考3)ダイキン工業株式会社‐Rシリーズ 仕様(スペック)
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